こんな疑問を解決できる記事になっています!

価格が決まる原理原則を抑えておけば、暗号資産に関する様々な出来事と相場の関係性を理解することができるようになります。
記事の前半では、価格の決まり方や価格の変動要因を解説。
記事の後半では、ベストな投資方法を解説していきます。

暗号資産の価格の決まり方は?
暗号資産の価格は、需要(買いたい人の量)と供給(売りたい人の量)のバランスによって決まります。
需要が供給より多い → 買いが殺到し、価格は上がる
供給が需要より多い → 売りが優勢になり、価格は下がる
例えば、100万円の絵があるとします。
「110万円でも買いたい!」「150万円でも買いたい!」という人が増えれば需要が供給を上回り、価格は上昇します。
逆に、「90万円でも売りたい!」という人ばかりで買い手が少なければ、価格は下がります。


暗号資産の価格も原理は全く同じ。
価格は買い手と売り手の力関係によって常に動き続けているのです。
他の金融商品(株式・債券)との違い
金融商品の価値は「なぜその商品に価値があるのか?」という裏付けによって支えられています。

金融商品に限らず、食べ物も「栄養が取れるから」とか、「美味しいから」という価値の裏付けがありますよね。
代表的な金融商品と、それらの価値の裏付けは以下の通りです。

暗号資産は、株式のように業績で価値が決まるわけでも、不動産のように物理的な資産があるわけでもありません。
暗号資産では多くの場合、人々のネットワークへの信頼と期待が価値の裏付けとなっていて、適正価格が存在しないから価格の変動が激しいんです。

例外としてステーブルコインという暗号資産は、米ドルなどの法定通貨が価値をペッグしており、裏付け資産がありますが、ここでは気にしなくてもOKです。
暗号資産の価格が上昇する主な4つの要因
「じゃあどういう時に価格が上がりやすくなるの?」
こう疑問に思った方もいると思います。
暗号資産の価格は、主に次の4つの要因で上がりやすくなります。

根拠を交えて、一つ一つ詳しく解説していきます!
アメリカの中央銀行(FRB)の金融緩和
アメリカの中央銀行(FRB)が政策金利を引き下げると、暗号資産の価格は上がりやすくなります。
金利が下がると企業はお金の貸し借りがしやすくなる一方で、銀行預金で得られる利息は減ります。
そこで投資家たちは、より高いリターンを求めて暗号資産や株式などに資金を移しやすくなります。
実際に、2020年3月のコロナ禍初期、FRBが大幅な利下げを行った直後に暗号資産市場は急速に回復し、その後の大きな上昇につながりました。

このように、金融緩和は市場全体の資金流入を促し、暗号資産の価格上昇にも大きく影響します。
国や機関投資家の参入
国や機関投資家が暗号資産市場に参入することも暗号資産の価格上昇の一つの要因です。
莫大な資金や高度な投資ノウハウを持つ彼らが暗号資産を買うということは、それだけ将来性や価値を認めていることを意味します。
ビットコインの例
・アメリカ政府が犯罪捜査で押収したビットコインを保有
・現物ETFの承認により、機関投資家が大量に買い集める動き
僕たち一般人レベルの投資家の話ではなく、国やプロの投資家が「買うべき資産」と判断していることは最大の強みです。
それ自体が市場に強い安心感を与え、価格上昇の追い風となります。
半減期やバーン(Burn)などの供給制限
半減期やバーン(Burn)といった供給を制限する仕組みも、価格上昇の要因になります。
冒頭で暗号資産の価格は需給のバランスで決まるとお伝えしましたが、これらの仕組みもそれで説明がつきます。
半減期やバーン(Burn)は市場に出回る通貨の量を減らし、希少性を高める効果があります。

つまり、供給が需要に追い付かなくなっていくということです。
半減期:マイニングによって新規発行されるビットコインの枚数が約4年ごとに半分になる仕組み。
バーン(Burn):運営やプロジェクトが意図的に暗号資産を焼却(消滅)させ、市場から供給を減らす方法。
実際、過去のデータを見ると、ビットコインは半減期の年から翌年にかけて大きく価格が上昇する傾向があります。

新規発行量が減ることで希少性が高まり、「買い時だ!」と考える投資家が増えることで価格上昇につながっているのです。
ポジティブなニュースや市場心理の好転
暗号資産市場にポジティブなニュースが流れると、市場心理が好転し、価格が上がりやすくなります。
良いニュースは投資家の期待を高め、購買意欲を刺激するためです。
例えば、次のような出来事が挙げられます。
こうした情報で多くの人が暗号資産を知り、新規参入を促すことで実際の買い注文につながります。
⚠️事実売りには注意
ただし、事実売りには注意が必要です。
事実売りとは、ニュース発表前の期待で価格が上がり、発表後に利益確定売りで下落する現象のことです。
そのため、噂や予兆が出始めたタイミングで仕込む方が有利な場合が多くあります。

「噂で買って、事実で売れ」という言葉がある通り、発表後に売られる事実売りは珍しくありません。
一見、「良いニュースなのに下がるのはなぜ?」と不思議に思われるかもしれませんが、投資の世界ではごく当たり前の出来事なんです。
暗号資産の価格が下落する主な4つの要因
反対に、暗号資産の価格が下がりやすくなる要因は次の4つです。
これらについても、1つずつ詳しく解説していきます。
アメリカの中央銀行(FRB)の金融引き締め
アメリカの中央銀行(FRB)が政策金利を引き上げると、暗号資産の価格は下がりやすくなります。
金利が上がると企業はお金を借りづらくなる一方で、銀行預金の利息は増えます。
そこで投資家たちは暗号資産や株式などよりも、銀行預金や債券などの安全な資産でリターンを得ようとします。
実際に、2021年以降の急激なインフレを受けてFRBが利上げを行った際、ビットコインをはじめ多くの暗号資産が大きく値下がりしました。

このことからも、金融引き締めが暗号資産の下落に与える影響は非常に大きいことがわかります。
ハッキングやセキュリティ事故のニュース
ハッキングやセキュリティ事故のニュースも、暗号資産の価格を大きく下落させる要因のひとつです。
理由はシンプルで、技術や取引所への信頼が揺らぎ、不安からパニック売りが増えるからです。
過去の代表的なハッキング事件
・NEM流出事件(2018年):国内取引所から約580億円分のNEMが流出
・DAOハッキング事件(2016年):約360万ETHが盗まれ、イーサリアムが分裂する事態に発展
これらの事件では、実際に暗号資産全体の価格が急落しました。
心理学では、人は利益を得たときよりも損失を被ったときの方が強く感情が動くことが知られており、これをプロスペクト理論と呼びます。
そのため、市場にとってネガティブなニュースは投資家心理を大きく冷やし、価格の下落につながります。
自然災害・感染症・戦争などの予測困難な出来事
自然災害や感染症、戦争といった予測困難な出来事も、暗号資産の価格を下落させる要因となります。
こうした出来事はエネルギー価格や物価の高騰リスクを高め、投資家が安全資産(現金や国債など)へ資金を移すきっかけになるためです。
その結果、暗号資産や株式などのリスク資産は売られやすくなります。
実際の事例
・新型コロナウイルス感染症
・ロシアとウクライナの戦争
・中東地域での戦争・紛争
直近の事例でいうと、2025年6月に発生したイラン・イスラエル戦争によってビットコインの価格が大幅に下落しました。

このように、世界情勢の不安定化は市場心理を冷やし、暗号資産の売り圧力を強める要因になります。
アノマリー(季節性や特定のパターン)
アノマリーとは、明確な根拠はないものの、なぜか繰り返し起きる現象や傾向のことです。
投資の世界で有名なアノマリーのひとつに「Sell in May」があります。
これは、「5月から9月にかけては相場が低迷しやすいので、5月に株を売って秋に戻ってくるべき」という格言です。
実際、ビットコインの過去の月別平均リターンを比較したものが以下になります。

このグラフを見ると、確かに5月~9月は平均リターンが低いことが分かります。
多くの投資家がこのアノマリーを意識して5月に売りを出すことで、本当に価格が下落する現象が起きているということです。
ベストな投資方法は?
ここまでは、暗号資産の価格がどうやって決まり、どんな要因で上下するのかを解説してきました。
では実際に、どのような投資すればいいのかを解説していきます。
将来的に価格が上昇すると思えば長期投資がおすすめ
将来的に今よりも価格が上昇していると確信できるなら、長期投資がおすすめです。
まず前提として、投資は今に対して未来の価格が上がるか下がるかを予測して行うものですよね。
長期投資は短期~中期の細かい値動きは無視して、5年~10年後に今よりも価格が上がっているかどうかというところに注目します。

おそらく、この記事を読んでくれているほとんどの人は長期投資がおすすめです。
その理由は、本業を持ちながら投資をする人は、時間と精神的負担を抑えつつ将来のリターンを狙う戦略が最も適しているからです。

それでも「一度にまとまった資金を投資するのが怖い」という人や「そもそも、まとまった資金がない」という人は次に説明する「積立投資」を組み合わせるのが最強です。
一括投資が不安なら積立投資がおすすめ
積立投資は、毎日・毎月に決まった金額をコツコツ投資していく方法です。
まとまった資金がなくても始められ、リスクを極限まで抑えつつリターンも得られるので初心者でも実践しやすいのが特徴です。


ぶっちゃけ、投資初心者にとっては長期投資×積立投資が最強の手法だと思います。
理由はシンプルで、まとまった資金も時間も必要なく、毎月1万円なら1万円を淡々と積み立てるだけだからです。
リスクとリターンのバランスが良く、精神的にも続けやすい投資スタイルです。
投資判断に自信がついてきたら短期~中期を狙うのが良い
「投資の知識は十分にあるから、そろそろガチなトレードをしてみたい!」
そんな方は、短期〜中期投資に挑戦してみても良いかもしれません。
短期・中期投資は、勝ち続けることさえできれば最も利益を最大化できる方法です。

知識が豊富で、どんな相場でも冷静に判断できる精神力を持っているなら、長期投資や積立投資よりも大きく稼ぐチャンスがあります。
また、スキルがまだ不足している人でも、少額で繰り返しトレードすることで経験値を積むことができます。

僕自身は、短期・中期トレードに時間を割くよりもその時間を他の活動にあてたいと思っているので、基本的には長期投資をメインにしています。
まとめ
本記事では暗号資産の価格の決まり方や上昇・下落の要因、それぞれの投資方法について詳しく解説してきました。
おさらいもかねて、本記事の内容をまとめたものが以下になります。

「暗号資産に投資をしたいけど、どんな方法で投資したらいいんだろう?」と悩んだ時は、この記事を思い出して投資判断の参考にしてもらえたら幸いです。