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また、本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を推奨するものではありません。
この記事では、こうした疑問をわかりやすく解説していきます。
イーサリアムについて調べていると、イーサリアムクラシックという暗号資産の存在に気づく人は多いと思います。
その時に、イーサリアムとイーサリアムクラシックって、なにが違うの?と疑問に感じたことはないでしょうか。
本記事では、暗号資産に1年以上向き合ってきた僕が、実際に混乱しやすかったポイントやつまずきやすい部分を整理しながら解説していきます。
記事の前半ではイーサリアムクラシックとは何か?誕生の経緯やイーサリアムとの違いを解説。
記事の後半では、イーサリアムクラシックに将来性はあるのか?今でも支持されている理由を解説していきます。

イーサリアムクラシックとは
イーサリアムクラシックとは、イーサリアムから分裂して誕生した暗号資産(アルトコイン)です。
分裂のきっかけとなったのは2016年に発生した、TheDAO事件という大規模なハッキング事件。
この事件によって、ブロックチェーンの方針をめぐって意見が分かれ、ハードフォークというアップデートが実施されました。
ブロックチェーン:取引を一つのブロックにまとめ、それを鎖(チェーン)のようにつなげて記録していく情報保管技術。主に暗号資産の取引記録に使われている。
その結果、イーサリアムとイーサリアムクラシックは別々の暗号資産に分裂することになります。
ただ、この説明だけだと意味が分からないと思うので、本記事では順を追って分かりやすく解説していきます。
イーサリアムとイーサリアムクラシックの概要
イーサリアムとイーサリアムクラシックの違いを理解するために、まずはそれぞれの特徴を整理していきます。
両者はもともと同じブロックチェーンから分岐した暗号資産ですが、取引を承認する方法や開発方針、思想などに大きな違いがあります。
ここでは、イーサリアムとイーサリアムクラシックの特徴を簡単に解説していきます。
イーサリアム(ETH)
| 通貨名 | イーサリアム(Ethereum) |
| ティッカーシンボル | ETH |
| 誕生 | 2013年 |
| コンセンサスアルゴリズム | プルーフ・オブ・ステーク(PoS) |
| 時価総額ランキング | 2位 |
| 公式サイト | https://ethereum.org/ja/ |
イーサリアムは、ヴィタリック・ブテリン氏によって開発された暗号資産で、ビットコインの次に人気な暗号資産です。
暗号資産をあまり知らない人でも、「イーサリアムなら聞いたことある」って人も中にはいるかと思います。
イーサリアムの大きな特徴は、スマートコントラクトという仕組みを使える点。
スマートコントラクト:契約の内容をあらかじめプログラムしておき、条件がそろえば自動で実行される仕組みのこと。
スマートコントラクトのおかげで、DeFiやNFTなど、イーサリアム上でさまざまなサービスが生まれました。
そのためイーサリアムは通貨というより、プラットフォームとして使われる存在になっています。
スマートコントラクトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
イーサリアムクラシック(ETC)
| 通貨名 | イーサリアムクラシック(EthereumClassic) |
| ティッカーシンボル | ETC |
| 誕生 | 2016年 |
| コンセンサスアルゴリズム | プルーフ・オブ・ワーク(PoW) |
| 時価総額ランキング | 30位前後 |
| 公式サイト | https://ethereumclassic.org/ |
イーサリアムクラシックは、イーサリアムから分裂して誕生した暗号資産です。
現在の時価総額ランキングは30位前後で、イーサリアムと比べるとそこまで知られている存在ではありません。
イーサリアムクラシックは2016年に発生したTheDAO事件というハッキング事件をきっかけに誕生しました。
イーサリアムクラシック誕生の詳しい経緯については、次の章で解説します。
イーサリアムクラシックが誕生した経緯

ここからは、イーサリアムクラシックが誕生するきっかけとなったTheDAO事件について見ていきます。
TheDAO事件は、「ブロックチェーンは誰のためにあるのか?」という考え方をめぐって、大きな議論を生んだ出来事でした。
この事件を理解することで、イーサリアムクラシックとは何なのかを完璧に理解することができます!
そもそもTheDAOとは?

TheDAOとは、Decentralized Autonomous Organizationの略で日本語では分散型自律組織と言います。
簡単にいうと、みんなでお金を出し合い、投資先を決める組織のことです。
TheDAOは一般的な会社とは性質が異なり、中央の権力者がいない組織という特徴があります。
普通の会社とTheDAOの違いは次の通りです。
普通の会社
社長や役員などがいて、彼らが会社の経営方針を決定する。また、お金の管理も銀行口座を介して行う。
TheDAO
会社や社長、役員が存在せず、銀行口座も存在しない。
その代わりに、あらかじめ決められたプログラム(スマートコントラクト)によって自動で実行される。
最大の特徴は、一度決めたルールを誰か一人の判断で勝手に変えられない点です。
TheDAOでは、DAOトークンと呼ばれる投票権を使って、プロジェクトへの賛否や運営方針が決められています。
DAOトークンは、ETHを出資してTheDAOに参加した人に配布され、投票権として使われてました。
TheDAO事件が発生
2016年6月、TheDAO事件が発生します。
当時TheDAOは、「イーサリアム上でさまざまなサービスを生み出すために投資をして欲しい」と言って、約1億5,000万ドル相当のETHを集めました。
しかしその後、集められたETHのおよそ3分の1(約52億円相当)が何者かによって抜き取られてしまいます。
この出来事が、一般的にTheDAO事件と呼ばれています。
ただこれ、誰かが不正にシステムへ侵入したわけではないのがこの事件の難しいところなんです。
実際にはスマートコントラクトの抜け穴を利用し、プログラムの仕様どおりにETHが引き出されただけでした。
つまり、技術的に見るとルールは破られておらず、プログラムは正しく動いていたという点がこの事件の大きな特徴です。
ハードフォークによってハッキング被害をなかったことに
その後、TheDAO事件を受けてイーサリアムのコミュニティは大きな混乱に包まれました。
集められた巨額のETHが流出した以上、「このまま放置していいのか?」という議論が巻き起こったのです。
最終的に選ばれた対応は、ハードフォークの実施でした。
ハードフォーク:これまでのルールとは異なる新しいルールのブロックチェーンを作るアップデートのこと。
ハードフォークによって、ETHが盗まれた取引履歴を無効とし、出資者がETHを回収できる返金用スマートコントラクトが用意されることに。
しかし、ブロックチェーンの記録を変えるというのはWeb3.0の概念を真っ向から否定する行為であるため、多くの反感を買いました。
結果的に、この方針に反対する人はETHが流失した元のブロックチェーンを継続し、これがイーサリアムクラシックの誕生につながったのです。
イーサリアムとイーサリアムクラシックの具体的な違い
イーサリアムとイーサリアムクラシックは似ているようで、細かく見ていくと全く異なる性質を持っています。
両者の違いは主に次の4つです。
発行上限の有無

イーサリアムには発行上限が無いのに対して、イーサリアムクラシックには発行上限があります。
発行上限がある暗号資産は、供給量が無制限に増えないため、希少価値が高まりやすいという特徴があります。
発行上限がある暗号資産の中ではビットコインが一番有名ですね!
イーサリアムクラシックも、約2億1,070万枚が発行上限と決まっていて、それ以上発行されないようプログラムされています。
ただ、一応補足をするとイーサリアムはバーン(焼却)によって市場に流通するETHの一部を消滅させ、インフレを抑制しています。
イーサリアムは供給量を調整、イーサリアムクラシックは発行上限の設定によってインフレ対策を行っているんです。
利用用途の違い

イーサリアムは、新しいサービスやアプリケーションを生み出す為のプラットフォームとして使われることが一般的です。
一方で、イーサリアムクラシックは、プログラムの設計を頻繁に変えないという思想を重視しており、長期間にわたって安定して動作するような設計になっています。
その為、イーサリアムクラシックはIoT(Internet of Things)のような、一度組み込んだら簡単に更新できないインフラ分野との相性が良いと考えられています。
IoT(Internet of Things):家電や設備などの「モノ」をインターネットにつなぎ、スマートフォンなどから操作・管理する仕組みのこと。代表例として、スマート家電が挙げられる。
頻繁にアップデートをしてゲーム性を高めていくのがイーサリアム。発売後は極力アップデートせずに元のゲーム性を維持し続けるのがイーサリアムクラシックみたいな感じですね。
取引の承認方法の違い
両者は、取引の承認方法(コンセンサスアルゴリズム)も異なります。
イーサリアムとイーサリアムクラシックのコンセンサスアルゴリズムの違いは次の通りです。
時価総額の違い
最後は、時価総額の違いです。
時価総額:その暗号資産が市場でどれくらいの規模を持っているかを表す指標のこと。
イーサリアムは時価総額ランキングで長年2位に位置しており、暗号資産の中でも断トツで人気があります。
一方、イーサリアムクラシックは時価総額ランキングで30位前後に位置しており、イーサリアムと比べると規模は小さいのが現状です。
ただし、取引所に上場している暗号資産だけでも数千種類あることを考えると、30位前後に位置するイーサリアムクラシックも決して低い順位ではないと言えます。
イーサリアムクラシックに将来性はあるのか
それでは、「結局のところイーサリアムクラシックに将来性はあるのか?」これについてお話していきます。
結論、「正直厳しいんじゃないかな」というのが僕の率直な意見です。
その根拠は以下の4つです。
ただ、これについてはあくまでも僕の意見なので参考程度にとどめておいてください。
長期的に価格が下落し続けている
1つ目は、長期的に価格が下落し続けていることです。
なぜなら、価格が下落し続けているということは、「今後も下がり続けるのではないか」という不安材料になりやすいからです。
実際に、イーサリアムクラシックの長期チャートを見ると、価格が右肩下がりの傾向にあり、高値を更新できていない状態が続いていることが分かります。

多くの投資家は価格の方向性を見て投資判断を行う為、下落が続いている銘柄に積極的に投資しようとする人は多くありません。
この状況を考えると、イーサリアムクラシックに投資する人が今後急激に増えるとは考えにくいです。
流動性が低く、セキュリティリスクがある
2つ目は、流動性が低くセキュリティリスクがある点です。
流動性:暗号資産がどれだけ活発に売買されているかを示す指標。取引量が多いほど流動性が高い。
イーサリアムクラシックが採用しているプルーフ・オブ・ワーク(PoW)では、計算量がネットワークの安全性を支えています。
しかし、イーサリアムクラシックは取引量や時価総額が少ないため、ネットワークに参加するマイナー(取引承認者)の数も多くありません。
つまり、参加者が少ない状態(流動性が低い状態)で、特定の人が計算量の過半数を握りやすくなってしまうということです。
実際にイーサリアムクラシックは、2019年に1回、2020年には複数回の51%攻撃を受けています。
51%攻撃:取引を承認するための計算量の51%以上を支配することで、取引履歴を書き換えるなど、ネットワークに深刻な影響を与える攻撃手法のこと。
現在は対策が進められているものの、常にセキュリティリスクがあることが将来性が厳しい理由の一つです。
プロジェクト全体が停滞気味
3つ目は、プロジェクト全体の動きが少ない点です。
イーサリアムはアップデートを重ねながら進化を続けており、常に新しい話題が生まれている一方で、イーサリアムクラシックはここ数年、目立った仕様変更や大きな動きがほとんどありません。
実際に暗号資産ニュースサイトのCOINPOSTで両者を検索した結果が以下の画像です。

画像を見るとわかるように、イーサリアムに関する情報は最近も多く挙がっているのに対し、イーサリアムクラシックの話題は過去のものが中心です。
ただし、イーサリアムクラシックは一度決めたルールは簡単に変えるべきではないという考え方を大切にしており、あえて大きな変更を行わない選択をしているとも言えます。
とはいえ、認知度が高いとは言えないアルトコインの場合、何かしらの動きを見せなければ人気が一気に高まる可能性は低いのが現実です。
開発者視点ではイーサリアムでアプリを作る方が合理的
4つ目は、開発者視点ではイーサリアムでアプリを作るほうが合理的だという点です。
イーサリアムは時価総額2位ということもあり、利用者数が多く、市場が活発な暗号資産です。
利用者が多いことで、次のようなメリットがあります。
一方でイーサリアムクラシックは、利用者数や開発者コミュニティの規模が限られており、新しいプロジェクトを立ち上げても十分なユーザーを集めにくいのが現実です。
このことからも開発者視点では利用者の少ないイーサリアムクラシックよりも、イーサリアムを基盤に開発を行う方が合理的だと言えます。
それでもイーサリアムクラシックが生き延びている理由

ここまで読んで、「正直、イーサリアムクラシックって厳しそうなのに、なんで今も残ってるんだろ?」と思った人もいるかもしれません。
現在もイーサリアムクラシックを保有している人が存在していることは紛れもない事実で、彼らは何かしらの理由があって持ち続けています。
その理由を大きく分けると、主に次の3つに集約されると考えています。
「コードは法」と信じてる人が支えている
まず1つ目は、コードは法(Code is Law)という考え方を重視する人たちがいる点です。
彼らの考え方は、一度ブロックチェーンに記録された事実は、人の判断で書き換えるべきではないというもの。
繰り返しになりますが、TheDAO事件でイーサリアムはETHが盗まれた履歴を事実上なかったことにしました。
この対応について、「それはブロックチェーンの思想を崩しているのではないか」と感じた人たちが一定数存在します。
そうした人たちは、ハッキング被害を受け入れたイーサリアムクラシックこそがブロックチェーンらしい存在だと考え、保有しています。
Web3.0の思想に近いのはイーサリアムクラシック
2つ目は、Web3.0の思想により近いと感じてイーサリアムクラシックを支持している人がいる点です。
そもそもWeb3.0の根底にある考え方は、特定の中央管理者や権力者に依存せず、参加者同士がルールに従ってネットワークを支えていくというものです。
その観点で見るとイーサリアムは、「ETHを多く保有している人ほど、ネットワークへの影響力が大きくなる」という側面があります。
こうしたイーサリアムの構造について、将来的に中央集権化につながる可能性があると指摘する人もいます。
そのため、人の力が介入しにくいイーサリアムクラシックの方がWeb3.0らしい存在だと感じられる場合もあります。
「いつか上がるかも」と期待している
3つ目は、「いつか価格が上がるかもしれない」と期待してイーサリアムクラシックを保有している人がいる点です。
時価総額が低い暗号資産は価格の変動幅が大きくなりやすく、価格が大きく下がる可能性がある一方で、上昇する際には短期間で大きく値上がりするケースもあります。
イーサリアムクラシックも例外ではなく、「この通貨、ワンチャンあるのでは?」と感じて、将来に期待して保有している人も中にはいると考えられます。
2025年12月現在、1ETCが1900円くらいなので、比較的お手頃で買いやすいという感覚も心理的には大きいですね。
イーサリアムクラシックに関するよくある質問と回答
ここでは、イーサリアムクラシックに関するよくある質問に回答していきます。
イーサリアムクラシックは発行上限があるのに、なぜビットコインのように価格が上がっていないの?
発行上限があることは、価格が上がるための条件の一つに過ぎないからです。ビットコインは「デジタルゴールド」という明確な立ち位置と高い知名度がありますが、イーサリアムクラシックは利用シーンや注目度が限られているため、価格が大きく上がりにくい状況にあります。
イーサリアムクラシックの開発者は誰?
イーサリアムクラシックには、明確な開発者は存在しません。複数の開発者やコミュニティが一丸となって開発からメンテナンスが行われている状態です。
IoTでの活用事例はあるの?
現時点では、イーサリアムクラシックがIoT分野で使われている明確な事例はありません。あくまでも「IoT分野で活用できればいいな」という段階です。
国内でもイーサリアムクラシック(ETC)が買える取引所ってあるの?
日本では、コインチェック・SBIVCトレード・bittradeなどで取り扱っています。
結論:よっぽどの理由がない限りイーサリアムを選んだほうが良い
今回の記事では、イーサリアムクラシックについて、誕生の経緯や将来性、現在も生き延びている理由を解説しました。
以上を踏まえると、よっぽどイーサリアムクラシックの思想や今後の発展に期待している人以外はイーサリアムを選ぶほうが無難だと言えます。
少なくとも、なぜ自分はイーサリアムクラシックに期待しているか?を説明できない人は、イーサリアムを選んだほうがいいと思われます。
また、本サイトではイーサリアムについて詳しく解説した記事も公開していますので、興味がある方は、あわせてご覧いただけると嬉しいです。

