最近、日本でも暗号資産が身近になってきましたね。
その中でもイーサリアムに触れていると、たびたびガス代という言葉を目にするかと思います。
最初はガス代って聞くと、車のガソリン代?って思う人は多いはずです(笑)
実はこのガス代、イーサリアムを使う上では避けて通れない取引手数料のことなんです。
例えば、ガス代を知らないままETHを送金してしまうと、知らないうちに「手数料だけで損してた」なんてことにもなりかねません。
本記事を見れば、ガス代の仕組みや発生理由・安く抑える方法がバッチリ理解できるようになります。
イーサリアムを安全&お得に使いこなして、快適なクリプトライフを送りましょう!

イーサリアムのガス代とは、取引する際にかかる手数料のこと
イーサリアム(ETH)をウォレットを使って送金したり、スマートコントラクトを通じてアプリ(DApps)を利用したりする時は、必ず手数料がかかります。
この手数料のことを、ガス代(Gas Fee)と呼びます。
ウォレット:暗号資産を保管するための「インターネット上のお財布」。
有名なものだと Metamask(メタマスク) や Phantom(ファントム) がある。
スマートコントラクト:あらかじめプログラムされた条件が満たされたときに、自動で実行される契約の仕組みのこと。
車を走らせるときにガソリンが必要なのと同じで、イーサリアムを動かすときに必要なのがガス代です。
このガス代は、イーサリアムのネットワーク上で取引を承認してくれる人(バリデーター)への報酬として支払われます。
彼らがいなければ、送金もアプリ利用も成り立たないため、いわばイーサリアムを動かすための燃料費のようなものなんです。
ガス代がかかるタイミング
イーサリアムでは、ブロックチェーンに何かしらの処理をお願いするときにガス代が必要になります。
例えば次のような時です。
このようにブロックチェーンに記録が残るアクションをするたびに、ガス代がかかります。
ガス代は誰に、何のために支払われる?
ガス代は、イーサリアムのネットワークを維持してくれているバリデーターに支払われます。
ただ、いきなりバリデーターって言われてもピンとこないと思うので詳しく説明します。
まず、前提としてイーサリアムには銀行のような特定の管理者がいません。
その代わりに、世界中のユーザーが協力して取引の正しさをチェックしています。
「この送金は本当に正しいの?」「改ざんされていない?」
こうした確認作業を担当するのがバリデーターです。
もしバリデーターがいなくなれば、イーサリアムは誰も取引を承認できなくなり、完全に止まってしまいます。
だからこそ、バリデーターに報酬としてガス代を支払う仕組みがあるのです。
ガス代は常に変動している
そんなガス代ですが、実は価格は常に変動しているんです。
「手数料が変動するなんて、めんどくさい!」って思うかもしれません。でもこれにはちゃんと理由があるんです。
主な変動要因は次の通りです。
需要と供給の関係
イーサリアムのガス代は需要と供給のバランスで決まります。
イーサリアムでは取引を一定時間ごとにまとめて処理する箱があり、この箱の大きさ(処理できる量)は限られています。
ちなみにこの箱のことをブロックと言います。ブロックチェーンの「ブロック」というのはここからきているんです。
イーサリアム上で送金などの取引をする人が一気に増えると「ガス代を払ってでも取引を通したい!」という需要が高まります。
その結果、ブロックごとの処理能力を上回ってしまい、ガス代が高騰します。
逆に、取引が少なくブロックに余裕があると、安い手数料でも十分に処理されるので、ガス代は下がります。
取引内容の複雑さ
イーサリアムのガス代は、利用者の多さだけでなく「どんな取引をするか」にも左右されます。
処理が単純な送金であれば、必要なガスは少なく安いガス代で済みます。
一方で、DeFiの取引やNFTの発行など、スマートコントラクトを使った複雑な処理は多くの計算を必要とします。
結果的に、その分だけ処理量が増えてガス代も高くなるのです。
ガス代を安く抑える方法
次に、ガス代を安く抑える方法についても解説していきます。
ネットワークの混雑時間を避ける
ガス代は利用者が多い時間帯ほど高騰します。
その為、深夜や早朝など人が少ない時間を狙うとガス代を安く抑えられることがあります。
特に、取引が活発なアメリカの深夜~早朝時間。日本時間でいうと、14時~21時あたりは、ガス代が安い傾向にあります。
レイヤー2を活用する
ここで、「レイヤー2って何・・・?」と思った方もいるかと思います。
レイヤー2とは、イーサリアム本体(レイヤー1)の取引の混雑を緩和するために作られた 補助的なチェーン(仕組み) のことです。
具体的には、イーサリアムの外(レイヤー2)でたくさんの取引をまとめて処理し、その結果だけをイーサリアム(レイヤー1)に書き込むことで手数料(ガス代)を大幅に安くすることができます。
レイヤー2の代表例としては Arbitrum(アービトラム) や Optimism(オプティミズム)、Base(ベース)が有名です。
取引の優先度を調整する
実は、メタマスクなどの暗号資産のウォレットには、取引の優先度を調整できる機能があります。
つまり、特急料金を払って早く電車に乗るか、各駅停車で安く済ませるかみたいなものですね。
まとめて取引をする
ガス代を安く抑えるコツのひとつが、「まとめて取引をする」ことです。
ガス代は送金金額によって変わるのではなく、基本的には「取引1回あたり」で決まります。
つまり、0.1ETHを送っても1ETHを送っても、かかるガス代は同じということです。
そのため、10回に分けて送金すると10回分のガス代がかかりますが、1回にまとめればその1回分だけで済みます。
例えば1ETHを送金する場合・・・
0.1ETHを10回送金 → 1回3ドルのガス代 × 10回 = 30ドル
1ETHを1回で送金 → 1回3ドルのガス代でOK
つまり、まとめて送金すれば最大で何十ドルも節約できるわけです。
ガス代を確認する方法
ガス代の代表的な確認方法は次の通りです。
1.ウォレットアプリ(Metamaskなど)
どのウォレットアプリも送金画面に進むと、自動的に現在のガス代が表示される。
ほとんどの場合、この方法だけで十分かと。実際に送金する直前に確認できるので、一番お手軽です。
2.専用サイト(Etherscan Gas Tracker)
こちらは、リアルタイムのガス代が表示される。
「速い・普通・遅い」といった目安も出ている為、「今は混んでいるから少し待とうかな」という判断にも役立つ。
ぶっちゃけ、普段の送金はウォレットの画面の表示でOK。
ただ、NFTを買う等の重要な取引で、少しでも安いタイミングを狙いたいならEthrscanでチェックするのもアリです。
ガス代に関するよくある質問と回答
ここからはガス代に関するよくある質問に回答していきます。
ETHを買うときもガス代がかかるの?
結論から言うと、取引所でETHを買うだけならガス代はかかりません。
なぜなら、取引所の中でETHを日本円や米ドルと交換するだけで、イーサリアムのネットワークを使っているわけではないからです。
ただし、取引所で買ったETHをウォレットに送金する時点でガス代が発生します。
でも、ガス代の支払いはETHで行うんでしょ?
その通りです。
イーサリアムの取引で発生するガス代は必ずETHで支払う仕組みになっています。
例えば、ウォレット(メタマスク)からNFTを購入する場合、購入金額とは別にETHを少し持っていないと取引ができません。
ここを知っておかないと、ガス代で使うETHが足りなくてNFT買えない…ってなる可能性があるので要注意です!
ビットコインを送金するときもガス代がかかるの?
ビットコインの場合は「ガス代」という表現は使いませんが、同じように送金手数料がかかります。
これはマイナー(取引を承認する人)に支払う手数料で、仕組みはガス代とほぼ同じです。
ただし、イーサリアムよりもシンプルで、主に「送金データのサイズ」と「ネットワークの混雑度」で手数料が決まります。
ガス代って大体どのくらいかかるの?
ガス代はネットワークの混雑度によって大きく変動します。
通常時:数ドル(2〜5ドル程度)
混雑時:10ドル以上
NFTの人気ミントや大規模イベント時:数百ドルになることも
まとめ:イーサリアムのガス代を理解すれば損を回避できる
この記事ではガス代とは何なのか、仕組みから安く抑える方法まで解説してきました。
イーサリアムを使う上でガス代は避けられませんが、その仕組みを理解しておけば無駄な出費を減らして取引ができます。
また、暗号資産の世界ではガス代のような「手数料の罠」が多く存在するので注意が必要です。
今後も初心者の方が損しない為に発信をしていくので見て頂けると嬉しいです。
というわけで、以上になります。